オランダ式農業生産法人「マキシマファーム」の設立
2015年01月28日
当社は、2014年9月に(有)サンフレッシュ松島との共同出資により「松島とまと」を生産する農業法人「マキシマファーム」を設立しました。
特徴は「オランダ式水耕栽培技術」を取り入れることで、面積当たりで露地栽培の約5倍もの収穫量が期待できることです。
オランダの国土は九州より少し広い規模ですが、約60%が農地になっており、放牧、園芸などが様々な形で営まれています。国土は狭いのですが、農産物輸出額はアメリカに次ぐ世界第2位を誇ります。
よく知られている通り、オランダはライン川下流に位置し、標高が低く国土の約4分の1は海面下にあります。そのため、水車を回して水をかき出すなどしてできた干拓地は有名です。その様な土地柄により、ハウス栽培や土を利用しないハイテク農業が発展してきました。
現地を視察してきた「プロジェクト室」のメンバーの話では、車で走って行くと急にガラスハウスだらけの土地が現れて驚くそうです。しかし、よく見るとガラスハウスの横には羊が放し飼いされていたりとのどかな雰囲気で、自動化が進んだハウス栽培のおかげで人が忙しく働くことも無く効率的に栽培をしており、理想的な農業だとの感想を聞くことができました。
ガラスハウスのしくみの一部をお話ししますと・・・
- ビニールハウスより光の透過性と気密性が高いガラスハウスを使用します
- 栽培するもののコンディションを最適な状態に保つために500以上もの項目を常にコンピューターで監視し、環境をコントロールします。気温、湿度、CO2濃度、日射量(日差しが強い場合は遮光カーテンを自動で閉めます)など
- 土を使わない為、栽培するエリアを選びません。ロックウールと呼ばれる保水性の高い人工繊維の中に種を植えます
- このロックウールにセンサーを備えた養液を供給する管が刺さっており、ロックウールの温度、湿り具合、養液供給量、栄養素配合なども自動で行います
- 養液は環境に配慮して雨水を貯め、殺菌した後に養液として使用します
- ガラスハウスの軒高は4.5m程度にし、ツルを上に這わすことで単位面積当たりの収穫量を増やします。ツルが伸びる瓜系の作物に応用できます。
以上の様に、外見とは程遠いハイテクなガラスハウスが2016年には建つ見込みです。約1ヘクタールのガラスハウスで収穫するとまとは年間300トンを予想しています。
早くたくさんの美味しいとまとを収穫してみなさんにご賞味いただき、将来は当社の食品部門と加工品に挑戦したり、日本各地はもとより海外展開も検討していきたいと考えています。